売掛債権を用いた会社資金の調達方法として、「でんさい(電子記録債券)」と「ファクタリング」があります。資金がどうしても入用の時に役立つのはどっちなのかを比較しました。今後の資金面での会社運営に役立つ情報ですので、ぜひしっかりとご覧ください。
↓クラウドファクタリングのイメージ↓
でんさい(電子記録債権)とは?
でんさい(電子記録債権)は、メガバンクを中心に多くの銀行間で広がっている電子決済サービスで、売掛債権や約束手形を電子記録化して「でんさいネット」で管理するシステムのことです。
でんさいネット
https://www.densai.net/
売掛債権を電子記録化する事のメリットは、誰が権利を有しているかがすぐにわかる事です。そのためその債権を譲渡したとしても、債権譲渡通知を行わなくてよいためスムーズに取引が行えます。また電子管理することで、紙媒体での交付や管理の手間が省けるというメリットもあります。
覚えておいてほしいのは、でんさいは売掛債権や約束手形を管理するシステムであり、取引手法ではないということです。
ファクタリングとでんさい(電子債権取引)の違いは?
どちらも売掛債権を使って会社資金を充実させることができるという点での共通点を見出すことができます。しかし両者には決定的な違いがありますので、使う際には注意が必要となってきます。その違いについてさらに明確にさせておきましょう。
貸し倒れリスクがあるかどうか
ファクタリングは、売掛債権を期日前に売却する取引です。先ほども述べたように、でんさいは手形や債券を管理するシステムですので、単純に比較することはできませんが手形割引と似た側面があるといえます。
それを踏まえて考えると、両者の相違点は貸し倒れリスクの違いです。ファクタリングにおいてはノンリコース契約が基本であり、貸し倒れリスクも含めてファクタリング会社が買い取る形になります。ですからファクタリングを利用した場合は、債務者が倒産したとしても支払い義務は生じません。
しかしでんさいを用いた手形割引においては、債権者が保証人となる形で約束手形を担保としてお金を借りることになります。つまり、債務者が支払い不履行を起こした場合には、一定の補填義務が生じることになるのです。
契約管理の違い
でんさいは、全国1300以上の銀行などの金融機関が加盟しており、加盟金融機関の口座を有していれば、共通のシステム化された書式で取引を行うことができるという利便性の高さがあります。
しかしファクタリングでは、業者により必要書類や書式が異なりますし、取引ごとの審査や契約が必要になります。
違いに応じた使い分けを
でんさいは、売掛債権や約束手形の管理システムとして利便性が高くスムーズな取引を進めていく点で役立ちます。ですから多くの企業との間で売掛債権や約束手形を用いた商取引を行う会社にとってはとても役立ちます。
しかし導入することで会計処理の方法が変わることなどを考えると、規模の小さな取引を行ってきた中小企業にとっては慣れるまでに労力や時間が必要になるのも事実です。
それに対してファクタリングは、即日現金化が可能なほどスピーディーな契約が魅力の取引です。ですから急いで会社資金を補充したい時や、取引先に内緒で売掛債権を現金化したい時には非常に便利です。貸し倒れリスクを避けたいという時にも役立つのはファクタリングです。
ファクタリングの注意点としては、現在は多くの会社が参入してきている成熟前の段階ですので、しっかりとしたファクタリング会社を選ぶことが重要な点です。